薺句帖

余生の洩らし言、「薺」とは、「なずな」あのペンペングサであります。誤字脱字の常習ゆえ、気になさる方にはお勧めできません。

岩波文庫「常山紀談 上中下」1988年4月7日第三刷。

       

 

 

 BOOK・OFFに立寄るのは、年に数回程度になった。

 昔はよい意味で荒っぽい商いをしていて、これはと目を見張るようなものが、100円で売られいた。

 いつのころからか、いかにもリサイクルショップの大規模なチェーンらしく体裁が整えられて、つまらなくなったなと感じるころから足が遠のいた。

 昨日、所用の帰り道に覗いていこうかと駐車場に車を入れると、満車状態で駐車まで僅かなら時間を要した。どうやら、ご繁盛のようだった。

 頭にあった目当ての本はなかったが、税込み110円の岩波文庫5冊を購入した。「制度通」上下と「常山紀談」上中下。

  「制度通」は1991年のリクエスト復刊で、とても状態がよい。もう一方の「常山紀談」は、よく読み込まれたらしいもので、三巻のすべてのあちこちに書き込みがある。

 三巻目の後付けの余白に、こうある。

 

 トツトツ3冊ヲ読ミ了エタ。漱石カラ見レバ講談ノ如キ本デアッタガ面白ヒ時ヲ過ゴス事ガ出来タ。感謝 感謝

 

 と、メモ書きが残されている。

 

 「感謝」、読後にそういう気持ちを持てるように自分はなれるであろうか。

 

 

     蝋梅や書き込み多き文庫本   泡六