薺句帖

余生の洩らし言、「薺」とは、「なずな」あのペンペングサであります。誤字脱字の常習ゆえ、気になさる方にはお勧めできません。

2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

時間がすべてを解決してくれるという人もいた。

リタイヤして以来、「年度」という時間尺が意識されなくなった。だから今日で年度終りと思い起こしても、何の感想も浮かんでこない。 それは、ここでも何度か云っているかも知れないが、まさしく光陰は矢の如くであって、その矢のスピードか、年を追って加速…

桜だらけの風景

一滴の血も流さずに桜哉 泡六 希望は幸福な人にだけ花曇り 燃えるゴミ燃えないゴミも花明かり あなたまだそこでまってて夢見草 火の見より昼のサイレン花盛り 毎年、さくらさくらで、この頃は明け暮れている、そんなこの国はまったくへんてこな。

もしも桜のなかりせば、とか。

我が家の庭先に、正体不明の桜が咲く。ソメイヨシノには数日おくれて開花するのが常で、それに花びらは八重である。 この木は、妻が知人から頂いたもので、鉢植えであったが管理する方がいなくなったとかで。それを庭先に鉢から下ろしたのは、二〇年ほど前で…

ご近所の花を巡る

昨日は、日本中が侍ジャパンの応援団になってしまった。普段はプロ野球にも高校野球にさほどの興味関心を寄せてはいないが、それでも無関心ではいられない。結果はドラマチックに米国チームから勝利をおさめ、今朝になっても勝利の美酒の二日酔い状態である…

老いぼれ男子、厨房に立つ、悦ばしからずや。

リタイヤ生活に入るにあたって、妻との間に家事分担の話し合いがあった。結果は、三度の食事の調理にかぎり、夫である自分の役割ということで、決着した。 もともと、長年独身生活を送った経験があるので、炊事をすることに抵抗はなかったというのは、嘘だ、…

比企の森を歩く。

昨日は、ぽかぽか陽気に誘われて、武蔵丘陵森林公園を散歩した。 今月二度目、月初めは梅林を巡ったのだった。 あれから、10日余り経ったのだが、いよいよ春は足元にも樹上にもやってきていた。 さびかへる比企の沼辺のあまな哉 泡六 この国営森林公園は、比…

超特急寿司

昨夜から孫連れで息子がやって来て、先ほど夕飯を食べて帰って行った。 ジジババは、二人の孫の悪ふざけに付き合って、楽しんだわけだ。息子は息子で実家で一息つけたというわけである。 あれから12年経って、こんな一日を過ごせたは、なんとも申し訳ない…

「馬鈴薯植う」という季題。

じゃがいもの植え付け、やや遅めか。 じゃがいもの芽は、霜に当たるとよわってしまうので、遅霜を警戒して、桜が開花する頃に、芽が出るように蒔きなさいと言われている、今年はこの陽気で開花が早まるらしい、そんなこんなで、ようやく準備が終わって、明日…

読書の春がやってきたような気がする。

何事にも、「波」というのはありがちで、いつまでも好調とか永遠に不調というのは、ないこともないが、大抵は交互にくるような気がする。そうでなければ、浮世は不公平極まりないものになる。まさしく祇園精舎の鐘の音であって、盛者必滅の理から逃れること…

武蔵丘陵の梅林で。

一昨日は、春麗というにふさわしい一日であった。 昼食を早めに済ませて、通いなれた森林公園へでかけた。 目当ては、今が盛りであるはずの梅林を歩いてみることだった。 梅は、紅梅も白梅も期待通りに咲いていて、花の香りもそよ風にのって揺蕩ごとしという…

ひなまつりであります。

三月三日である。 我が家のお雛様は、もう二十年余り、物置の奥にしまい込まれて日の目を見ていない。毎年、今年は飾ってみようかと、自分か妻かが口にはするのだが、すぐに気持ちが失せて本日を迎える。今年もそうだ。 紅梅も挿せば気持はひなまつり 泡六 …

暖かに迎えた三月

三月になった。 二月は、なんと足早であったことか。 年が改まって、ますます時の流れが速くなる。 如月や子ら横断す手をあげて 泡六 如月は、陰暦二月の和名であるのだが、この時期の季語として扱われる。如月というと、初春の二月とは、語感がちがうという…