薺句帖

余生の洩らし言、「薺」とは、「なずな」あのペンペングサであります。誤字脱字の常習ゆえ、気になさる方にはお勧めできません。

久しぶりの畑で。

 

 炬燵からはいだして、畑の様子を覗きに出た。

 五〇坪ほどの家庭茶園である。

 今は、大根・菠薐草・小松菜・白菜そんなものが収穫できる。

 老人二人が食べる糧としては、多すぎるのでご近所さんと配偶者の交友関係者に消化して頂く。

 この時期は、とりたてての作業はないのだが、せっかくでてきたのだからと、小型の三角ホーで雑草の処理をすこばかりした。

 この辺りは、昨年暮れから年を越えて殆ど降雨がない、畑は乾燥して耕土は堅く白々としている。

 そこにへばりつくように、ホトケノザやスズメノカタビラなどが生えているのをホーの刃先で削り取って行く。

 

 すると、足元に、テントウムシが足早に逃げ隠れようとするのを見つけた。昆虫の生態については、無知であるが、テントウムシは集団で越冬するのだと、どこかで聞いた気がする。でも、こやつは、たった一匹。この寒空にからからに乾いた地面で、オリーブの枯れ葉の下に逃げ込もうとしている。

 

 おぬしも、大変だねと、・・・。

 

  

 

 

  

   てんと虫おのれもひとりか寒土用  泡六