薺句帖

余生の洩らし言、「薺」とは、「なずな」あのペンペングサであります。誤字脱字の常習ゆえ、気になさる方にはお勧めできません。

森を歩く

 

 ひと月ぶりに森林公園をあるいた。

 昨日のことだ。

 気温は、初夏のようで上着は必要なかった。

 森の様相は一変していて、新緑さへやや濃さを増していた。

 


 この一か月で梅が散り、桜は終いとなっていたのだった。

 

 沼の脇の山藤の房。

 

 

藤の香は彼の夜の人の名残かな 泡六

 

 紅葉には、もうプロペラをつけた種子さえ見えていた。

 

 

青紅葉地球の冷ゆる日はありや

 

 足元には、春早くに咲いたものは葉のみとなって、今は例えば、十二単衣。

 

 

森愉し十二単衣の日和かな

 

 そして、金蘭。

 



金蘭は一茎ごとに標なり