薺句帖

余生の洩らし言、「薺」とは、「なずな」あのペンペングサであります。誤字脱字の常習ゆえ、気になさる方にはお勧めできません。

虫けら

隠居まがいの生活を送っていると、曜日の感覚がなくなる。

土曜、日曜は意識に登らず、憂鬱な月曜も、足腰のけだるい木曜もない。

結構な日々であるせいか、一日一日がいつの間にか過ぎていってしまう。

そうして、今朝は9月21日である。

曇り空、雨が時折降ってくる。

そうして、涼しい。

昨晩遅く、スコールのように激しい雨音がしばらく聞こえて、すぐのぱったと止むと、今度は虫の声がふわっと湧いてきて、なんだ、秋じゃないかと、今年初めての感想が浮かんだ。

夜が明けても、ここちよい。

暑さ寒さも彼岸までとはよくいったものである、昨日は彼岸の入りであった。

今日の雨もありがたいのだ。

大根の種まきは例年彼岸明けすぐの作業にしている。畑は荒く耕してあるのだが、その土くれながなが続ていたこの夏の日照りに乾燥して固まってしまった。それをこの雨が湿らせてくれれば、この後の作業がしやすい、恵みの雨になった。

 

しばらく、更新をさぼっていたのだが、怠け者こそ本来の自分、ゆるゆるやって行こう。

 

ようやく、秋であるし。そうして、虫の声にしもじみと耳を傾けたのであった。

 

 

虫けらは一所懸命の夜長かな  泡六

 

 

  夜も昼も働くフンコロガシ