薺句帖

余生の洩らし言、「薺」とは、「なずな」あのペンペングサであります。誤字脱字の常習ゆえ、気になさる方にはお勧めできません。

ナンジャモンジャの花

 四月が終わる。

 それがどうと云うことは無いのだが。

 公園で、ナンジャモンジャの木に出会った。

 ナンジャモンジャとは、正体不明の樹木であることを、そのままに命名した。名は体を表すというが、その言葉はこの木の場合にも通じるのか、通じないのか、ちらっと文が湧いたので考えて見たが、悪戯に脳みそが疲れただけで答えが出て来なかった。

 その木はいま花盛りであった。

 こんな花である。

 

   

 

 美しいではないか。爽やかに白い。

 調べると、ナンジャモンジャの木というのは、謂わば通称名で、植物学上の名称は、「ヒトツバタゴ・(一つ葉タゴ)」というモクセイ科の樹木だそうな。絶滅危惧種である。

 実は、ナンジャモンジャと呼ばれている木は、このヒトツバタゴだけではなく、例えばニレとかボダイジュなども、そう呼ばれることがあるという。要は、見慣れぬ正体不明の樹木を「ナンジャモンジャの木」と呼んだのがという。

 外にも命名の由来の説はあるに違いないが、自分は今のところ知識の持ち合わせが無い。

 

 さて、「ナンジャモンジャ」だが、まったく何もかにも「ナンジャモンジャ」だらけの世界としか、年取った自分には見えない。

 このところ、話題沸騰のChatGPTであるが、爺の自分でさえ触れてみようと思いつつ、なんだか躊躇している。ちょっと、懼れる感じがあるのだ。そんな矛盾した自分自身が先ず第一にナンジャモンジャなのだ。

 そのAIは、爺のナンジャモンジャをすっきりとさせてくれるかも知れない、いや、うまく説得してくれそうな気もするのだが、巫山戯るなよ、人工知能風情にこちとらの腹を探られるもんか、べらぼうめ!と反発する気分もある。

 まったく、ナンジャモンジャなのだ。

 

 

四月尽ナンジャモンジャの木の下に  泡六