昨日、寒の入りであった。
それでいて、よく晴れた今日の午後、堤の上は暖かだった。
とはいえ、寒さに備えた身支度のせいでもあるのだが。
川は、利根川水系の一級河川。堤上からは赤城、春名、妙義、浅間、武甲、男体、関東上州を取り巻く山々と、時によるが、富士、筑波も見える。
自分は、この川に飛来する鳥たちを時折見に行く。
野鳥観察というようなことでなくて、ただ安物の双眼鏡で鳥の姿を眺めるのが、楽しいというだけだ。
福川は、寂しかった。
20羽ほどのオオバンの群れが餌を漁りながら、ゆっくりと遡上してゆくのが見えただけだった。
川上へ水鳥ゆくを歩調とす 泡六
数百メートル間隔で、大小の橋が架かっている。
その一つの橋の上から見えたのは。
川真昼影は闇色野鯉群れ
寒の空鳩らは左へ回転す