8月15日 夜間から明け方に雨音を聞く、その後は朝から雲の多い一日、颱風の余波の空模様、気温はやや過ごしやすく、風もあった。
〇お盆中であるので、家にいて静かに一日過ごそうと思っていたが、前日はこの悪天候で中止になった尾島のねぷたが本日は開催するという。そう聞いて、4年ぶりの開催だと言うし出かけてみようかということになった。
尾島は、元々は群馬県新田郡にあったが現在は太田市に合併している。かつてこの地には、津軽藩の飛び地があった。それが縁で、尾島は青森県弘前市との交流が昭和60年に始まったという。つまり、この群馬の「ねぷた」は、弘前ねぷたの流れが起源であるらしい。
自分は、ご本家の弘前ねぷたを見たことがない。だから、この尾島のねぷたが弘前の単にコピーなのか、あるいは相違があるのか、分からない。
そうであるが、普通に考えれば土地柄が違えば、自ずとその違いが何事につけても影響してゆくだろうと。なんといっても、昔も今も、この地は「赤城颪の空っ風」と「かかあ天下」で有名な上州であるから、弘前とはちょいと味わいが異なってくるのではあるまいかと、想像する。
空っ風と並んで上州名物といわれるのが、「かかあ天下」。「かかあ天下」というのは、「亭主関白」のいわば対義語である。
自分が住むのは、利根川を隔てて目と鼻の先の武蔵国側の国境付近であるから、川を越えて空っ風が吹いてくる、ついでに「かかあ天下」の風にも染まる。だから、「かかあ天下」に関しては、いくらだって語ることが出来る。
とにかく、活発で働き者でよく目端が利き、男顔負けの気丈さも、自己主張もぼぼ傍若無人、そうして亭主を尻にしく。おおこわい。第一、声がデカい。
さてさて、このねぷたのお囃子の太鼓はなかなかのものだ、男性も巨大な太鼓を叩いているのであるが全く目立たない。華やかに笑顔をふりまく女性達の太鼓に目と耳を奪われるのだ。どう見たって、主役が誰か、はっきり分かる。
愉快な祭りだ。
上州にかかあ天下とねぷたあり 泡六