薺句帖

余生の洩らし言、「薺」とは、「なずな」あのペンペングサであります。誤字脱字の常習ゆえ、気になさる方にはお勧めできません。

松の内も今日まで

一月七日(日)晴れのち曇り。

 

〇朝、七日であるから、七種粥を炊く。食べて邪気を祓ったのであるが。

 

人日や粥腹すぐに空きにけり  泡六

 

 七種粥を食べるのだが、正直うまいものではない。

 それは、セリ、ナズナゴギョウハコベラホトケノザスズナスズシロの七種であるが、スズナの蕪、スズシロの大根、それにセリこの辺りは野菜と言えるのだが、あとは野草である。

 けれどもそれら野草を、多分「若菜」と呼んだのだろうと思うと、ゆかしいような気がする食べ物に思えてくる。

 

 一茶の句にこうある。

粥釜を洗ふて待つや野はわか菜  一茶

 

「人日(じんじつ)」と云うのは、一月七日を指し示す季語である。

 

〇関東では7日までが松の内とするのが、一般的だと思う。年神さまを追い立てるわけでないが、日が変わるの待たずに、夕刻には門の松飾を撤去した。

 この周辺で、門松をたてている家は、我が家の他にはたった一軒見かけただけであった。ちょと物寂しい気持ちがあった。

 

 

 正月はおしまい。

 

 松過ぐや能登には雪の降るという 泡六  

 

 

お断り

日記風の仕立てになっておりますが、お目にかけるのは大体一日遅れになります。翌日になって前日を振り返って書くものですから。