薺句帖

余生の洩らし言、「薺」とは、「なずな」あのペンペングサであります。誤字脱字の常習ゆえ、気になさる方にはお勧めできません。

命の危険・亭主の好物は桃

7月31日 快晴、夕刻、雷鳴が聞こえて、一雨欲しいと期待したが、つれなくどこかへ消えた。

 

31日月曜は、本州付近は高気圧に覆われて、強い日差しが気温をグングン押しあげました。
15時30分までの最高気温全国1位は、埼玉県熊谷市で39.2℃と、40℃に迫る暑さになりました。熊谷市では、これで1週間連続して最高気温38℃以上を観測し、体温を超える「危険な暑さ」が続きました。  tenki.jpより

 

〇酷い7月であった。「命の危険」に日々晒されているとは。これでは、到底長生きはできそうもない。

 世界の7月の気温が史上最も高くなる見通しとうことで、国連のグテーレス事務総長が、「地球沸騰化」の時代が来たと発言したという。つまり、この北関東利根川と荒川の流域付近は、この国で最も早く沸騰を始める所らしい。

 

〇 お馴染みの「新・増殖する俳句歳時記」にこの句があげられている。

 

男は桃女は葡萄えらびけり  大住日呂姿

 

しらっと、こういう句が詠める、これはただものでないなと、感じいった。

と同時に、これは我ら夫婦のことであると、笑った。自分は桃が好物であり、妻は何といっても葡萄好きである。

桃の実も葡萄も、秋の季語である。であるが、葡萄はまだ少し早いのだろうが、桃はあちこちの店頭に出ている。

その桃を妻が箱買いしてきた。このところせっせと遊んでいる手前、夫を少しは甘やかしてやろうという下心が見え見えである。こちらは、それでも悪い気がしないので、よしよしということであったが、食後に皮をむかれて「どうぞ」と云われて、口に入れるとあっけなく食べ終えた。妙だなと薄々感じた。

冷たいものが欲しくなって、キッチンへ行くと、桃の箱がある。何気なく目をやると、ああ小粒な桃、どうやら規格的に売れ残った、あるいは規格外の、安売りだ!と察知したのであった。

そこで、「なんだ、馬鹿にしやがって」と腹が立つ・・・、ということは、・・・ない。とっくにそんな気力は消えてしまっている。

「やっぱりね・・。」で終わりだ。

 

 

 

うつつなき亭主ぼんくら七月尽  泡六

 

下心とは、かつては男どもの専売なりしに

せみ啼くや古女房の下ごころ